「小規模事業者向け」こども性暴力防止法の認定に向けた準備について

 社会保険労務士・行政書士が教える「最小コスト」認定取得ガイド

こども性暴力防止法:コストを最小限に抑え認定・運営を行う3つの鉄則


 令和8年12月の施行に向け、認定取得は避けて通れません。しかし、認定自体が収益を生むわけではなく、申請手数料(30,000円)も発生します。高額なコンサル料を払わず、賢くコストを抑えるポイントをまとめました。

1. 「できることは自社で」規定作成の工夫


 労務リスク軽減のための諸規定は、専門性の高い部分のみを士業に依頼し、その他の規定類は自社で整備しましょう。従業員10名未満なら、わざわざ就業規則を作成せず「服務規程」等で対応することも可能です。
*就業規則が必要な場合については後述致します。


2. 士業の「紹介ネットワーク」に頼らない


 他士業を紹介してもらうと、紹介料や追加報酬で費用がお幅に増加します。紹介を受けたからと言って、低額で業務を行ってもらえるわけではありません。
• ワンストップの依頼
 行政書士と社労士の両資格を持つ事務所なら、規定作成から申請まで一括で安く済みます。
• 既存の顧問を活用
 すでに顧問社労士や行政書士がいる場合は、まず彼らに相談してください。新規で別コンサルを雇うより安価です。


3. 認定後の「継続コスト」を見極める


 ガイドラインには措置義務の詳細が記されており、必ずしも認定後の外部コンサルは必要ではありません。各種措置義務はこれまでの業務の延長線上にあります。不安な場合は、既存の顧問契約に「防止法対応」を組み込む形が最も効率的です。
 制度の全貌が見えてくれば、実際の業務量はそれほど多くありません。焦って高額契約を結ばず、着実に一つ一つできる事から準備を進めていきましょう。

 

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  事業主様向けに無料相談実施中です。
*柏原市、八尾市以外については、交通費が発生する場合があります。その他費用は一切発生いたしません。

こども性暴力防止法(日本版DBS)認定申請の無料相談予約。大阪の社労士・行政書士が規定類作成等、導入をサポート

 

 制度導入の段取りは、大きく分けて「対象範囲の特定」「システム利用準備」「規程・書類の整備」「体制構築・研修」「認定申請(民間のみ)」の順に進めていく必要があります。



 本資料は、現時点で公開されているガイドライン等に基づき作成しております。内容には万全を期しておりますが、運用の可否や個別具体的な判断については、こども家庭庁にお問い合わせください。
 なお、本記載内容に基づく損害等について、当事務所は一切の責任を負いかねます。 制度の導入や実務運用にご不安がある場合は、当事務所のサポートサービスをぜひご検討ください。貴事務所・施設の実情に合わせた最適なプランをご提案いたします。
(※サービス提供エリアには一部制限がございます。詳細はお問い合わせください)

 

  事前に、研修動画「こども性暴力防止法の概要」「性暴力の防止に関する基礎」を視聴されることをお勧めいたします。

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Ⅰ:対象事業・対象業務の絞り込み   

不明な場合はこども家庭庁へ問い合わせることも可能です(メールor電話)


Ⅱ:GビズIDの取得

 <法定事業者 まとめ登録が必要>


Ⅲ:労働法制等を踏まえた事前準備

適正な運用と紛争防止のため、内部規程や契約書類を整備
作成が必要な規定・書類:
・情報管理規程: 犯歴情報の取扱い手順やアクセス権者を定めたもの。
・児童対象性暴力等対処規程: 調査、保護・支援、防止措置の手順を定めたもの。
・就業規則(改定): 「不適切な行為」の定義、懲戒事由(犯歴詐称、手続拒否等)の追加。
・採用募集要項・求人票: 特定性犯罪前科がないことを条件として明記。
・誓約書(犯罪歴がない旨、戸籍等の提出)・内定通知書: 犯歴の有無の確認、手続への協力義務、 内定取消事由の記載。


*募集要項・求人票の変更は、今からでもすぐに行う必要あり 
*就業規則の不利益変更の場合、説明会の実施、個別同意が必要 
*現従業者への事前通知(書面で)及び誓約書を回収。 
(事前通知の内容:本人が対象となること、犯罪事実確認の必要性・確認のスケジュール、従業者が行うべきこと)

 


Ⅳ:安全確保措置の体制構築と研修

日頃から性暴力を防ぎ、早期に把握するための体制を整えます。
相談窓口の設置、従事者への研修実施、児童・保護者への啓発を行います。
従事者への研修受講(座学と演習但しすべて動画で対応可)

  
研修の実施  
  法定事業者  12月25日前までに終了  
  認定事業者  申請を行う前までに終了  
  *計画を策定士受講の記録: 受講履歴を作成し管理


早期把握のための措置(日常観察、面談・アンケート等)、相談体制(相談員の選任)の整備

▷作成が必要な規定・書類:
報告・対応ルール: 疑い把握時の報告経路や組織の初動対応フロー。
   対象従業員、児童、保護者に事前に周知
面談・アンケート様式: 児童の発達段階に応じたもの。

 

Ⅴ:認定申請(民間教育保育等事業者の場合)

民間事業者が犯罪事実確認を行うには、国の認定を受ける必要があります。
▷段取り
 上記の準備を整えた上で、システムから申請します。現職者については、申請前に研修を受講させておくことが要件です。
▷義務規定
 認定基準(体制整備、早期把握、相談、規程作成、研修、情報管理)に適合していることが求められます。
▷作成書類
 認定申請書、欠格事由に該当しない旨の誓約書、事業の概要を証する資料等。
導入後は、これらの規定に基づき実際に犯罪事実確認(犯歴照会)を実施し、定期的な状況報告(年1回)を行う義務が生じます

申請後以下の事項については公開されている動画で概要が理解可能です。
*「安全確保措置」「犯罪事実確認」「防止措置」「情報管理措置」

 

【ステップ その1】
「こども性暴力防止法(日本版DBS)」について

「こども性暴力防止法」とは?
「こども性暴力防止法」の目的

【ステップ その2】
あなたの事業は認定を受けられるか?「認定制度」の対象とは

認定の対象となる「民間教育保育等事業者」とは
「民間教育保育等事業者」が認定を受けるための5つの要件
「民間教育保育等事業者」の例


【ステップ その3】
小規模事業者が今から着手すべきこと

GビズIDの取得
制度について従業者等へ周知
対象業務の範囲の検討及び確定
「不適切な行為」の範囲の検討及び確定
なぜ「不適切な行為」を定めておく必要があるのか?
犯罪事実確認の実施体制整備のため責任者を選任

【ステップ その4】
認定を受けるために、今すぐ始める書類整備

就業規則の見直し(不適切な行為の範囲、懲戒事由等)
採用募集事項等の見直し
犯罪事実確認(日本版DBS)の期限と対応について
対象業務従事者に対する研修について

【ステップ その5】
安全確保措置①(早期把握、相談、調査、保護・支援、研修)

早期把握
施設・事業所環境の整備
児童等や保護者への教育・啓発

 

情報管理規定についてはコチラ

情報管理規定についての解説動画はコチラ


                  (令和8年2月10日)

 

こども性暴力防止法(日本版DBS)について

 

「こども性暴力防止法」とは?

(正式名称:学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律)とは、教育や保育の現場におけるこどもへの性暴力を未然に防ぎ、こどもたちの安全を守るために制定された法律です。
 令和6年6月に成立し、令和8年(2026年)12月25日から施行されます。英国の制度を参考にしていることから、日本版DBS(Disclosure and Barring Service)とも呼ばれています。

 

「こども性暴力防止法」の目的

 

 この法律は、児童対象性暴力が児童等の権利を侵害し、生涯にわたり重大な影響を与えることに鑑み、児童等の心身の健全な発達に寄与することを目的としています。
 教育や保育等を提供する事業者の防止・保護の責務を明らかにするとともに、従事者が特定性犯罪事実該当者か否かの情報を国が提供する仕組みなどを定めています。社会全体の責任として、性暴力を決して許さない社会の実現を目指します。

 

あなたの事業は認定を受けられるか?「認定制度」の対象とは

 

認定の対象となる「民間教育保育等事業者」とは

 

 民間教育保育等事業者とは、学習塾やスポーツクラブ、認可外保育施設、障害児通所支援などを行う事業者の総称です。
 学校等の義務対象とは異なり、こども家庭庁の認定を任意に受けることで「認定事業者等」となり、従事者の性犯罪歴の確認(日本版DBS)が可能になります。


 

「民間教育保育等事業者」が認定を受けるための5つの要件

 学習塾やスポーツクラブなどが認定を受けるには、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。

1.教授内容: 児童等に対して技芸または知識の教授を行うこと。
2.修業期間: 標準的な修業期間が6か月以上であること。
3.指導形態: 児童等に対して対面による指導を行うこと(オンラインのみは不可)。
4.指導場所:事業者が用意する場所(事業所、公園、キャンプ場など)で指導すること(児童の自宅は不可)。
5.人員数 : 技芸または知識の教授を行う者(教授者)が3人以上であること。



民間教育保育等事業者の例

 

・専修学校(一般課程。製菓学校、簿記学校等)
・各種学校(准看護学校、助産師学校、インターナショナルスクール等)
・放課後児童クラブ(学童保育)
・一時預かり事業
・病児保育事業
・認可外保育施設
・児童自立生活援助事業
・居宅介護事業(障害児を対象とするもの)
・学習塾
・スポーツクラブ、ダンススクール など

 

 

小規模事業者が今から着手すべきこと

 

GビズIDの取得

 システム(こども性暴力防止法関連システム)の利用に不可欠なGビズID(プライム)を取得しておきます。
 こども性暴力防止法関連システム(こまもろうシステム)のアカウント登録は施行後に実施されます。

 

<ポイント!>

 日本版DBSの認定に不可欠な「GビズID」は、外部に頼らず自社で取得すべきです。手続きは郵送又はオンラインのみで容易に行えます。また、認定後の継続的な実務でも使用するため、自ら操作に慣れておく必要があります。外部委託を続けると、運用のたびに高額な顧問料が発生し続けることになります。

 

GビズIDはマイナンバーを持っているかどうかで手続きが変わります。

〇マイナンバーカード有  所要時間15分~30分程度
 オンライン申請 必要な物 
・パソコン
・ スマートフォン(「GビズIDアプリ」をインストール済みのもの)
・マイナンバーカード(4桁の暗証番号と署名用電子証明書パスワード:英数字6〜16桁が必要 忘れた場合は事前に再登録を)


〇マイナンバーカード無
  郵送申請の場合 必要な物
・印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)
・スマートフォン(「GビズIDアプリ」をインストール済みのもの)
・ 登録印(法人の実印など)
・ 封筒・切手

  GビズID簡単作成>>>

 


制度について従業者等へ周知

 現職者に対し、制度の趣旨、犯罪事実確認の必要性、拒否時の不利益(配置転換、解雇等)について、あらかじめ書面等で周知します。

  

<ポイント!>

 対象業務従事者については犯罪事実の確認を行う旨等、可能な限り早い段階で周知しておきます。
 性犯罪歴の確認はプライバシーに関わる重大な事項であるため、早期に周知しておくことで、既存の従業員の理解を得て心理的抵抗を減らしておく必要があります。
 また、万が一の戸籍等の提出拒否された場合や、急な退職があった場合にも余裕を持って対応することが可能となります。
 さらに、犯歴を持っている従業者がいた場合、できる限り自然な形で自主的に退職していける期間を確保しておいた方が後々の雇用管理上のトラブル回避につも繋がります。

   今から周知する ⇒ 犯歴のある従業員が自主退職していく流れを作る

 

 そもそも、放課後等デイサービスや学習塾で雇用される方はジョブ型雇用がほとんどです。小規模事業所で配置転換の余地はありません。
 子供と接しない職を新たに創設する余裕もありません。小規模事業所で特定性犯罪歴があると分かった段階で雇用の維持は困難です。
 但し、「辞めさせる(解雇)」には、大きなリスクが伴うのも事実です。
 解雇の有効性については、「最終的には司法判断」による、としか言えないのが実情です。

 

 

対象業務の範囲の検討及び確定

 対象業務になるかどうかの判断は、職種名で一律に決めるのではなく、実態が「支配性・継続性・閉鎖性」の3要件を満たすかで判断します。
 具体的には、指導等を通じ優越的立場に立つか、日常的・反復的に接するか、第三者の目が届かない状況(オンライン含む)が生じ得るかという観点です。
 各事業者が自らの実態に即して、これらを満たす従事者を特定し、犯罪事実の確認対象とする必要があります。


<対象業務従事者の例>

職種全体が対象となる主な例:
◦ 校長、園長、教頭、副園長。
◦ 教諭、助教諭、養護教諭、栄養教諭、講師、実習助手、寄宿舎指導員。
◦ 教授、准教授、助教(高等専門学校など)。
◦ 保育士、保育補助者、放課後児童支援員、児童指導員。
◦ スクールカウンセラー、部活動指導員、学校司書、特別支援教育支援員 など

 

 

<ポイント!>


 従業員10名前後の事業所、学習塾等ではすべての従業者等が対象になってくるでしょう。
 学習塾等で講師と委任契約を結んでいる場合や講師派遣を受けている場合は対応が異なるので注意が必要です。
 実務上は、派遣元や受託者との契約に「犯歴確認や研修を完了した者のみを従事させる」旨の条項を盛り込み、違反を契約解除事由に定める等の対応が必要となってきます。
 また、派遣講師等で犯歴判明等で交代を求める際は、犯歴内容を直接伝えず、法に基づく防止措置として要請する等留意する必要があります。(本人の個別同意が無い状態で犯歴を第三者に提供することは個人情報保護法違反となります)

 

 

「不適切な行為」の範囲の検討及び確定

 不適切な行為の範囲は、事業者が業務特性や児童等の発達段階を踏まえ主体的に決定します。
 現場が過度に萎縮しないよう留意して、従事者と話し合いながら決定する必要があります。
 なお、確定した範囲は服務規律や就業規則等に反映し、従事者・児童・保護者に周知徹底することで、性暴力の未然防止につなげていきます。

 

<不適切な行為の具体例>

◦ SNSアカウントやメールアドレス等を交換し、私的なやり取りを行う。
◦ 休日や放課後に、児童等と二人きりで私的に会う。
◦ 保護者の承諾なく、児童等の自宅で二人きりになる、または自分の自宅に招く。
◦ 不必要に、児童等を一人で車に乗せて送迎する。
◦ 私物のスマートフォンやルール外の方法で、児童等の写真・動画を撮影・管理する。
◦ 業務上必要な範囲外で撮影を行う。
◦ 不必要に児童等と密室で二人きりになろうとする 等


<ポイント!> 

 「不適切な行為」の範囲の設定については、厳しすぎれば、現場が萎縮して保育や教育に支障が出てしまいます。
 また、甘すぎた場合、子どもを守れないだけでなく、万が一の時に組織の責任を問われる可能性があります。
 「不適切な行為」の例示は、あくまでも例示列挙のため、規定したもの以外は対象外になるわけではありません。
 規定の最後に、包括条項等を入れることで対応していく必要があります。
 「不適切な行為」の基準を明確にして保護者に伝えると、安心感を与える一方で、保護者の監視の目(アンテナ)も非常に敏感になります。 その結果、これまでは見過ごされていた些細な言動に対しても、「あれは不適切ではないか?」と過剰に反応され、クレームに発展するリスクが生じます。基準を定める際は、現場の混乱を招かないよう、過度な疑念を生まない表現の工夫が求められます。



なぜ「不適切な行為」を定めておく必要があるのか?

 なぜ「まだ犯罪ではない不適切な行為」を規制する必要があるのでしょうか。それは、性暴力が突発的に起きるものではなく、段階を経て深刻化するからです。
 性暴力は、SNSでの個別連絡(第1段階)、二人きりの状況作り(第2段階)、過度なスキンシップ(第3段階)という準備行為を経て、最終的な犯行(第4段階)へと繋がっていきます。
 犯罪行為として顕在化してからでは被害を防げないため、法律は第1〜3段階の「おそれ」がある時点で介入し、芽を摘むことを求めています。

  性犯罪の9割は初犯です。この制度の目的の一つが、初犯に至る芽が育つ前に摘み取ってしまうことにあります。



犯罪事実確認の実施体制整備のため責任者の選任

 犯罪事実確認を適切かつ計画的に実施するための体制整備には、責任者の選任が不可欠です。責任者は、スケジュールの管理や執行体制の構築に加え、従事者への必要性や手続の事前通知、交付された確認書の適切な確認を担います。犯罪事実に関する情報の厳格な管理と制度の実効性を担保するために極めて重要な存在です。
 小規模事業所の場合、そもそも、犯歴等、情報管理を担う人数は最小限に絞り込むよう要請されていることもあり、経営者が責任者となる場合がほとんどです。

 

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認定を受けるために、今すぐ始める書類整備


就業規則の見直し(不適切な行為の範囲、懲戒事由等)*重要

 

 性暴力を未然に防ぐため、犯歴等がある者を対象業務に従事させない「防止措置」を講じるには、法的根拠となる就業規則の整備が不可欠です。
 あらかじめ懲戒の種類や事由を定め周知しておかなければ、事実判明時の懲戒解雇や配置転換が労働法上の「権利濫用」とみなされ無効になるリスクがあります。特に犯歴を秘匿した際の「重要な経歴の詐称」を明記することは、紛争を防止し制度の実効性を高めるために必要です。

見直しのポイント

◇懲戒事由の追加  
 「特定性犯罪前科の秘匿(経歴詐称)」や「児童対象性暴力等の実施」を懲戒事由として明記します。
◇配置転換の根拠規定 
 防止措置として「こどもと接しない業務」への配置転換を命じられるよう、職種限定合意(ジョブ型雇用)の有無を確認し根拠規定を整えます。
  *小規模事業所において配置転換させること自体が非常に難しいです。配置転換ができる職種が無いにもかかわらず規定を設けると、過剰な負担を強いられる可能性もあります。
◇「不適切な行為」の具体的範囲  
 SNSの私的交換や不必要な身体接触など、自社の実態に即した禁止行為を服務規律に定めます。  
◇報告義務の策定  
 性犯罪行為を行ったり、それにより刑罰を科されたりした際の速やかな報告義務を設けます。
◇採用・試用期間条項の整備  
 内定取消事由や試用期間中の解約権留保事由として、犯歴の虚偽申告(重要な経歴の詐称)を含めておきます。

 

 

 

<さらにこちらもチェック!>

 今このサイトをご覧になられている小規模事業所については、就業規則を作成されていないところがほとんどかと思います。
 就業規則に懲戒や配置転換の根拠がないと、犯歴判明時の防止措置を行った場合、労働法上の権利濫用とみなされ、無効とされる恐れがあります。
 作成義務がない事業者様については、雇用契約書や服務規律を定めた文書等に「特定性犯罪前科の秘匿」や「性暴力等の実施」を解雇事由として明記し、事前に周知・説明しておく必要があります。

 *では、就業規則に懲戒解雇の規定があれば簡単にできるかというと、答えは「否!」です。懲戒解雇の規定はあくまで伝家の宝刀で、できる限り抜かずに済ませることが無難です。
 一方の普通解雇については、解雇に至るまでの手続きが非常に煩雑です。能力不足=すぐに解雇、というわけにはいきません。リスクを最小限に抑える方法は、説得をした上で「自主的に辞めていってもらう」ことです。

 あえて就業規則をこの機会に作成するか、それとも服務規程を作成し代用するかは、業種、事業規模によりご判断いただければと思います。

 

 

採用募集事項等の見直し

 

求人広告について

• 採用条件の明示
 広告媒体に募集要項の採用条件として、「特定性犯罪前科がないこと」を明記します。
• 確認対象職種の開示
 応募者が事前に判断できるよう、応募しようとしているその職種が「犯罪事実確認(DBS)の対象職種である」旨明記することが推奨されています。

 



選考プロセスについて

内定後のトラブル(内定取消しの有効性など)を避けるため、選考中に明示的な確認を行うことが不可欠です。
• 賞罰欄の確認と誓約
 履歴書等の賞罰欄で特定性犯罪前科を確認するだけでなく、「特定性犯罪前科がないこと」を条件とした誓約書を提出させることが適当です 。
•虚偽申告への警告
 採用選考時に虚偽の申告や黙秘があった場合、「重要な経歴の詐称」として内定取消しや懲戒処分の対象となる旨をあらかじめ伝達しておきます。

 

応募者への事前伝達について

犯罪事実確認の手続について、事前に応募者の理解を得るための説明が必要となってきます。
• 手続の周知
  採用内定後に、本人から国(こども家庭庁)に対して戸籍等の提出が必要になることを説明します 。
•不利益の通知
 特定性犯罪事実が確認された場合や、正当な理由なく犯罪事実確認の手続に応じない場合は、「対象業務に従事させることができない」旨を事前に伝えておきます。小規模事業所の場合、対象業務以外の業務が用意できない場合がほとんどですので、結果的には採用できないという旨伝えておく必要があります。

内定通知書および契約書類の整備について

法的根拠を明確にすることで、万が一該当者が判明した際の権利濫用リスクを軽減します。
• 内定取消事由の記載
 内定通知書等に、内定取消し事由として「重要な経歴の詐称(特定性犯罪前科の秘匿を含む)」を具体的に定めておきます 。
• 試用期間条項
  就業規則や雇用契約書において、試用期間中の解約事由(本採用拒否)にも同様の経歴詐称に関する規定を盛り込んでおく必要があります 。


 こども性暴力防止法の施行は令和8年12月25日からですが、もうこの時点から、新規に採用する者の中に特定性犯罪についての犯歴を持った者がいた場合に、容易に対処できるよう準備をしておく必要があります。


 こども性暴力防止法施行準備段階において想定されるリスク
  現職者が雇用契約書のまき直しに同意しない
  現職者が戸籍提出に応じない
  現職者が、誓約書、就業規則変更に伴う個別同意に応じない 等




犯罪事実確認(日本版DBS)の期限と対応について

1. 採用者(新規に対象業務に従事する者)

• 原則: 雇用契約等の始期にかかわらず、実際にこどもに接する業務を開始するまでに犯罪事実確認を完了させる必要があります 。確認の申請をあげられるのは、内定後となります。
•特例(いとま特例): 急な欠員や予見不可能な増員など「やむを得ない事情」がある場合に限り、従事開始後、原則3か月以内(最大6か月)の確認が認められます 。但し、確認が済むまでは「特定性犯罪事実該当者」とみなされ、原則として児童等と1対1になる業務にはつけません。


2. 現職者(施行時または認定時の従事者)

• 義務対象(学校設置者等)
 施行日(令和8年12月25日)から3年以内に、全ての施行時現職者の犯罪事実確認を完了させなければなりません 。
•認定対象(民間教育保育等事業者)
 認定を受けた日から1年以内に完了させる必要があります。
• 申請の分散
 事務の集中を避けるため、3年(または1年)の期間内で、こども家庭庁が指定する区分に従って計画的に分散して申請を行うこととされています 。詳細については現在未定です。

 


3. 共通事項:5年ごとの再確認
•一度犯罪事実確認を行った従事者であっても、直近の確認日から5年を経過する日の属する年度の末日までに、改めて(5年ごとに)犯罪事実確認を行う義務があります 。
 各事業者は、これらの期限を遵守するために、標準処理期間(2週間〜2か月程度)を考慮し、余裕を持って手続を進めることが求められます。

 

 犯罪事実確認に要する所用期間

・日本国籍:2週間~1か月
・外国籍:1か月~2か月程度

 *但し、正誤開始直後どうなるかは未定です。

 


対象業務従事者に対する研修について

 従業員(対象業務従事者)への研修は、性的暴力を未然に防ぎ、万が一の事態に適切に対応するための重要な措置であり、以下の内容を座学と演習を組み合わせて実施する必要があります 。
 研修については、演習も含まれることから、外部コンサルやその他団体での受講が必要なのかと考える事業者様おられるかと思いますが、こども家庭庁の説明会においては、今後こども家庭庁より随時公開されていく映像授業や教材資料により、各事業所レベルで研修及び演習が可能となるよう手配していくとのことです。
 高額な研修を外部で受ける必要はありません。


 

<ポイント>

 小規模事業者においては、全員が同じ日に集まり研修を行うことが難しい場合は、業務中の手すき時間を利用し受講させることも可能です。
 注意すべき点は、研修時間は労働時間に該当するため、休憩中や自宅での受講させることは労働基準法違反になります。
 現在公表されている情報では、こども家庭庁の映像教材等を活用すれば、特に事業所ごとに教材を準備する負担もありません。
 標準動画又は要点動画には、演習用の課題・内容も含まれるため、動画視聴を通じ個人単位で演習とすることも可能な仕様となっています。

 *研修を事業所で実施した場合は、研修の案内、個人ごとの計画書、研修実施の記録(日時、参加者、内容)等を保管しておく必要があります。




安全確保措置①(早期把握、相談、調査、保護・支援、研修)

日頃から講ずべき措置について

  民間教育保育等事業者は、認定を受けることで学校設置者等と同様の義務を負うことになります。
 こども性暴力防止法においては、再犯対策のみならず、9割を占める初犯の予防対策を徹底するよう各種の義務規定が定められています。

 早期把握
 児童対象性暴力等を早期に把握するため、事業者は主に三つの措置を講じる必要があります。
 ①児童等の心身や行動の変化を見逃さないための日常的な観察
 ②児童等の発達段階や特性、事業の性質に応じた定期的な面談やアンケートの実施
 ③疑いを把握した際の報告体制や対応手順の策定
  さらに、これらを従事者のみならず、児童等・保護者へも周知するよう定められています。

 

 施設・事業所環境の整備

 複数の目が行き届く体制を整え、密室状態を回避することが重要です 学習塾等では、レイアウト変更や仕切りの撤去等が必要となるかもしれません。防犯カメラ設置も選択肢の一つです。、ただし、カメラ設置についてはプライバシーの問題もあり、保護者等と事前に十分い話し合いをしておく必要があります。

 対象業務従事者に対する研修

 今回の制度では、この研修が重要な意味を持っています。今後、こども家庭庁から提供された研修用の教材をもとに、認定前及び認定後も定期的に研修を実施していく必要があります。研修については、施行前研修は義務、それ以降については、「定期的に受講させることが、望ましい」とされています。


<ポイント>

 全従業員を一堂に集めた研修はなかなか難しいのが実情です。「不適切な行為」も含め、日々の業務の中での気づきを共有化していくシステム作りが必要かと思います。
 研修については、今後こども家庭庁から公開される研修動画及び資料ですべて完結されるようになっています(こども家庭庁に確認済み)。別途外部の研修を受ける必要はありません。また、映像授業自体は自宅で視聴させることも可能です。

 

 児童等や保護者への教育・啓発

 児童等や保護者に対し、「不適切な行為」の範囲を周知します 。保護者へは、制度の仕組みや性暴力への理解を深める周知を行うとともに、トラブル防止のため「不適切な行為」の認識を共有します。また、性暴力等に関しては、個人の重要なプライバシーにかかわってくることから、噂を立てたり広めたりしないよう協力を求めます。

 

<ポイント>

 「不適切な行為」については、詳細かつ具体的な内容を定めると、事ある毎に保護者が不信感を募らせることになるかもしれません。また、子供が性犯罪に会った段階で、保護者に理性的な対応がどこまで臨めるかは疑問です。結論的には、「おそれ」が生じた際には、弁護士や警察等にすぐに相談することが重要です。

 


 今後さらに詳細な内容が公表されていくものと考えられます。随時情報を更新していきますので、別途現時点でご不明な点等があれば下記フォームよりお問い合わせください。ご質問が多い内容については、こども家庭庁へ問い合わせ等実施していく予定です。

 

 

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