
ボランティアや実習生についても、基本的には職員(教員等・教育保育等従事者)と同様、「支配性・継続性・閉鎖性」の3要件を満たすかどうかによって犯罪事実確認(日本版DBS)の対象かどうかが判断されます。
具体的な扱いや注意点は以下の通りです。
1. ボランティアの扱い
ボランティアであっても、従事期間の長さや雇用の有無にかかわらず、業務内容が3要件を満たす場合は犯罪事実確認の対象となります。
• 対象となる例
居場所づくり事業での学習支援(一対一の指導)、障害児施設での定期的な交流会、ボーイスカウトのOBとして定期的に参加し個別指導を行う場合などは、継続性や閉鎖性が認められるため対象となります。
• 対象外となる例
年1回のバザー等のイベントへの参加、地域のスポーツクラブへ夏休みの1日だけ指導に来る場合などは、「継続性」がないため対象外です。
• 「離職」の特例: 単発のボランティアを繰り返す場合、その都度確認を行うのは負担が大きいため、「意向確認書面」(有効期間は6か月以内)を交わすことで、その期間中は離職していないものとみなし、情報を保持して次回の従事の際に再確認なしで活動させることが可能です。
2. 実習生の扱い
教育実習生や保育実習生については、大学等の実習計画の内容によって判断されます。
• 確認が不要な場合
実習計画において「原則として児童等と一対一にさせない」ことが明記されており、受け入れ施設側でも指導教員の監督下で活動することが担保されている場合は、犯罪事実確認を行う必要はありません。
• 確認が必要な場合
実習計画上、一対一になることが予定されている場合や、実習期間が相当長期にわたるなど、3要件を満たす実態がある場合には対象となります。
• 運用の推奨
一般的な3週間程度の実習であれば、実習生が児童等と一対一にならないよう計画を立て、現場で適切な監督を行うことが望ましいとされています。
3. 判断基準となる「3要件」のポイント
ボランティアや実習生を特定する際も、以下の解釈に基づきます。
• 支配性: 指導や交流を通じて、こどもに対して優越的な立場に立つ機会がある。
• 継続性: 日常的・定期的、あるいは反復継続が見込まれる(1日限りのスポットワークや突発的なものは除外)。
• 閉鎖性: 第三者の目が届かない状況(一対一を含む)が生じ得る。オンラインでのやり取りも含まれます。
事業者は、ボランティアや実習生を受け入れる前に、その業務がこれらの要件に該当するかを精査し、該当する場合は犯罪事実確認を行うとともに、法定研修の受講をさせる義務があります。
*「意向確認書面」について
意向確認書(意向確認書面)法律上の「離職」に当たらないものとみなすための書面です。
こども性暴力防止法における運用上の役割と注意点は以下の通りです。
1. 導入の目的とメリット
• 負担の軽減
本法では、従事者が離職した場合、事業者は30日以内に犯罪事実確認記録等を廃棄・消去しなければなりません。しかし、数日おきに活動するボランティア等に対してその都度確認を行うのは、事業者・従事者双方に過大な負担となります。
• 情報の保持
この書面を交わすことで、「離職」していないものとして、一定期間、事業者が犯罪事実確認記録等を継続して保有できるようになります。これにより、期間内に再び業務に従事させる際、改めて犯罪事実確認を行う必要がなくなります。
2. 対象となる従事者
• ボランティア、または都度短期で雇用契約を締結する者であって、近い将来に改めて同一事業者で従事することが予定されている者が対象となります。
3. 定めるべき内容と制限
• 有効期間の制限: 意向確認書で定めることができる期間は、6か月を上回らない範囲とされています。もし6か月を超えて従事する可能性がある場合は、期間が経過する際に改めて犯罪事実確認を行い、再度書面を取り交わす必要があります。
• 事業者の説明義務: 事業者は従事者に対し、この書面はあくまで意向を確認するものであり、雇用契約書ではないこと、また雇用期間を示すものでもないことを適切に説明しなければなりません。
この仕組みにより、継続的な関係性がある短期従事者やボランティアに対して、安全確保措置の実効性を維持しつつ、事務の効率化を図ることが可能となります。