こども性暴力防止法(日本版DBS)における「報告徴収及び立入検査」は、事業者が犯罪事実確認(犯歴確認)や情報管理を適切に行っているかを確認し、制度の実効性を担保するための監督措置です。
ガイドラインに基づき、その内容を5つの項目でまとめます。
1. 目的と対象者
• 目的
犯罪事実確認の適切な実施、および犯罪事実確認記録等の適正な管理を確保するために行われます。
• 対象となる事業者
◦ 犯罪事実確認実施者等
学校設置者、施設等運営者、県費負担教職員の情報を共同利用する市町村教育委員会など(民間法人等を含む)。
◦ 認定事業者等
学習塾、放課後児童健全育成事業などの認定を受けた事業者 。
• 対象外となる者
国、地方公共団体、独立行政法人、国立大学法人、地方独立行政法人などは、行政機関としての適正な履行が期待されるため、法に基づく本措置の対象から除外されています。
2. 実施される具体的な内容
こども家庭庁は、必要と認める限度において以下の権限を行使できます 。
• 報告・資料提出
実施状況に関する報告や資料(帳簿など)の提出を求めること 。
• 立入・質問・検査
事務所、学校、事業所等へ立ち入り、関係者に質問したり、帳簿や書類を検査したりすること。
3. 手続上の制限とルール
• 証明書の携帯
検査を行う職員は身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があれば提示しなければなりません。
• 目的の制限
この権限はあくまで行政上の監督目的であり、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないと明記されています 。
4. 罰則(義務違反への対処)
以下の行為があった場合、違反者は50万円以下の罰金に処されます。
• 報告や資料提出を拒む、あるいは虚偽の報告・資料提出をした場合 。
• 質問に対して答弁をしない、あるいは虚偽の答弁をした場合 。
• 立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した場合。
※法人の代表者や従業員が業務に関して違反した場合は、行為者だけでなく、その法人に対しても同様の罰金刑が科されます(両罰規定)。
5. 所轄庁(都道府県・教育委員会等)との連携
• 業法に基づく監督
学校や保育所などの法定事業者の場合、こども家庭庁だけでなく、各業法(学校教育法や児童福祉法等)に基づき、所轄庁も独自に報告徴収や立入検査を行う権限を有しています。
• 情報の相互共有
こども家庭庁と所轄庁は、あらかじめ情報を共有し、重大な違反が疑われる場合などは連携して監督を行います 。
この監督体制により、事業者が「犯歴確認を怠る」「情報を不適切に管理する」といった事態を未然に防ぎ、是正させることが図られています
