
児童対象性暴力等やその前兆となる「不適切な行為」の疑いが生じた場合、対象事業者は児童等の安全を最優先とし、迅速かつ組織的な対応をとる責務があります
。ガイドラインに基づき、講ずべき措置を「初期対応」「調査」「調査を踏まえた対応」のフェーズごとに解説します。
1. 初期対応(疑いが発生した直後の措置)
児童等の心身の安全を第一に優先し、あらかじめ定めたルールに基づき迅速に行動します 。
• 発覚時の留意点
児童等から被害を打ち明けられた際は、二次被害や「記憶の汚染」を防ぐため、聴取を最低限にとどめ、同じことを何度も話させないように配慮します 。
• 組織内共有と報告
疑いの段階であっても重く受け止め、原則として即日、組織内の責任者や対応チームに報告・共有します。
• 暫定的な接触回避
事実確認と並行して、被害拡大防止のため、加害が疑われる従事者を自宅待機させたり、対象業務から外したりするなどの一時的な接触回避措置(防止措置)を講じます。
• 保護者への連絡
特段の事情がない限り、速やかに保護者に情報を連絡し、誠実に説明を行います。
• 関係機関との連携
犯罪の疑いがある場合は速やかに警察へ通報・相談し、所管行政庁などの行政機関とも早期から連携します 。
2. 調査(事実確認の手順と留意点)
事実の有無及び内容を確認するための調査は、公正かつ中立に、関係機関と連携して行わなければなりません。
• 証拠の保全
防犯カメラ映像、SNSのやり取り、出退勤記録などの客観的な証拠を適切に保全します 。
• 聴き取りの実施
被害児童等、加害が疑われる者、および必要に応じて第三者から聴き取りを行います 。児童等への聴き取りは専門性が求められるため、警察や弁護士などの専門家と連携することが望ましいです。
• 事実の評価
客観的な証拠や供述の整合性を基に、児童対象性暴力等が行われたと合理的に認められるか否かを判断します。
3. 調査を踏まえた対応(防止措置と保護・支援)
調査結果に基づき、再発防止と児童等の回復のための措置を決定します 。
• 防止措置の実施: 児童対象性暴力等や重大な不適切な行為が合理的に判断された場合、原則として当該従事者を対象業務に従事させない措置(配置転換や懲戒処分等)を講じます
。
• 児童等の保護・支援: 被害児童等が日常を取り戻せるよう、以下の措置を講じます 。
◦ 加害者との接触回避を継続する 。
◦ ワンストップ支援センターなどの支援機関に関する情報を提供する 。
◦ 被害児童等や保護者からの相談に真摯に対応し、心のケアに努める。
• 周囲への配慮と再発防止: 二次被害を防ぐため情報管理を徹底し、他の児童や職員に対しても必要に応じて心理的ケアを行います 。また、事案の要因を分析し、具体的な再発防止策を策定・実行します。
なお、これらの措置は、学校や認可保育所などの義務対象事業者だけでなく、認定を受けた民間事業者にも同様の実施が求められます。
