日本版DBSの導入フロー 情報管理措置

 情報管理措置について、ガイドライン・Q&A・研修教材を中心にまとめました。
 


 事業者に求められている対応

 1. 性犯罪歴の記録(※1)を、適正に管理すること
 2. 性犯罪歴の記録を、目的外利用することや、第三者に提供することの禁止
 3. 性犯罪歴の記録が漏えいした場合に、こども家庭庁に報告すること
 4. 性犯罪歴の記録を適切に廃棄・消去すること

 ※1 こども性暴力防止法上は「犯罪事実確認記録等」といいます。



 

 1. 対象となる犯罪事実確認記録等


 • こども家庭庁から交付される犯罪事実確認書
 • 犯罪事実確認書に記載された情報を転記したもの
   * 性犯罪歴の有無を「白」「黒」と表現するなど含

 

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特定性犯罪事実関連情報


特定性犯罪事実関連情報とは、犯罪事実確認の結果、特定性犯罪事実該当者であることが判明した者に対し、事業者が「防止措置」を検討・実施するために本人から取得した、犯歴に関するより詳細な情報のこと。

主な内容は以下の通りです。


1. 情報の具体例
・具体的な行為の内容(どのような行為を、いつ、どこで行ったか)
・犯行の背景事情
・本人の反省の認識や状況
・採用時の経歴詐称に係る事情(なぜ隠していたのか等)


2. 取得の目的
 この情報を取得する主な目的は、当該従事者をこどもと接する業務から外すための配置転換、出向、解雇などの「防止措置」の内容を適切に判断することにあります。例えば、過去の犯行態様を把握することで、将来の再犯リスクを評価し、適切な配属先を検討する際の判断材料となります。


3. 取扱い上の注意点
極めて機微な情報(個人情報保護法上の「要配慮個人情報」に該当)であるため、厳格な管理が求められます。
本人同意の任意性: 情報を取得する際は、面談の直前に本人の任意の同意を得る必要があります。同意を強制してはならず、拒否したことのみを理由に不利益な取扱いをしない旨を明示しなければなりません。

情報管理「犯罪事実確認記録等」には該当しませんが、それに準じた厳格な管理(取扱者の限定、施錠管理、不要時の速やかな消去等)が必要です。
漏えい時の報告: 万が一この情報が漏えいした場合は、こども家庭庁への報告義務および本人への通知義務が生じます。

 

 2. 対象事業者が、講じなければならない措置


 • 管理責任者の設置
 • 情報管理規定の策定
 •情報管理規定の遵守
 •民間教育保育等事業者の場合は、
    従事する者を名以上置く


 3. 情報管理規定に盛り込むべき事項


 (1) 犯罪事実確認記録等の取扱者は必要最小限とすること
 (2) 犯罪事実確認書の内容の記録・保存を極力避けること  
  記録・保存が必要な場合であっても、リスクに応じた対応を行うこと
 (3) 情報機器の種類やネットワーク状況に応じた情報管理措置を講じること
 (4) 犯罪事実確認記録等の取扱いの手順※に応じて必要な対応を行うこと
  ※ 事前準備、交付申請、従事者への事前通知、交付、記録作成・伝達・利用・保存、
   廃棄・消去、帳簿作成、定期報告、漏えい対応等。
 (5) 組織の長が情報管理の重要性を理解し、組織的に点検及び改善を実施すること

 *情報管理規定については「ひな型」が利用できます。
 *情報管理規定のパターン①~③の詳細はコチラの解説動画が非常に分かり易いです!

 

 

 

 4. 情報漏洩への対応

事業者に求められる対応

 ・性犯罪歴の記録の漏えいや第三者提供などが発生した場合
  こまもろうシステム(※)でこども家庭庁に報告
  性犯罪歴の記録の漏えいなどが発生した場合、従事者にしらせる


報告期限

(1)速報の報告:報告を要する事態を知った後、直ちに報告すること
「直ちに」の目安は、事業者が当該事態を知った日から3~5日以内。
特に重大性が高い事案(特定性犯罪事実がある旨の情報の漏えい、100人以上の多数の犯罪事実確認記録等の漏えい等)の場合は、可能な限り早く報告することが望ましいです。報告時点で把握している事項を報告。
(2)確報の報告:報告を要する事態を知った日から起算して30日以内に報告すること
不正の目的をもって行われたおそれがある行為による漏えい等である場合は、60日以内。
当該事態に関する、漏えいし又は漏えいした恐れがある項目、当該項目に係る本人の数、原因、再発防止措置等を報告。


 >>詳細はコチラの解説動画で



 5. 犯罪事実確認記録等の目的外利用・第三者提供


 犯罪事実確認実施者等は、次の場合を除き、犯罪事実確認記録等を犯罪事実確認若しくは防止措置を実施する目的以外で利用し、又は第三者に提供してはならない。
 (1) 都道府県教育委員会と市町村教育委員会との間での提供(県費負担教職員のものに限る。)
  県費負担教職員に関する犯罪事実確認記録等に限ってのみ、防止措置の実施に必要な限度において提供することができます。
 (2) 学校設置者等と施設等運営者との間での提供
  防止措置の実施に必要な限度において提供できます。
 (3) 訴訟手続その他の裁判所における手続又は刑事事件の捜査のために提供する場合
 (4) 情報公開・個人情報保護審査会の求めに応じて提示する場合
 (5) 法、児童福祉法等の規定に基づき、報告徴収・立入検査等に応じる場合  


 権限設定表は必要か?

「権限設定表」という特定の名称の書類作成が法律で直接的に義務付けられているわけではありませんが、犯罪事実確認記録等を取り扱う「権限者(取扱者)」を特定し、その範囲を明確に管理することは、情報管理措置における法的な義務でもあります。
実務上、以下の理由から「名簿」や「一覧表」といった形で権限を管理することが必要となります。


 1. 規程と名簿の使い分け


「情報管理規程」などの公式な規程類には、管理責任者や担当者を「部署名・役職名」のみで記載することが認められています。しかし、その場合には「実際に誰がその職務を担っているか」を組織内で明確にするため、別途「名簿等」を備えて管理することが求められています。


 2. 取扱者の限定と明確化


 犯歴情報は極めて機微な情報であるため、取り扱う者を「業務上必要最小限」に限定しなければなりません。そのため、組織内の誰が以下のどの権限を持つのかを定義し、管理しておく必要があります。
・全権限者: システム利用や権限設定の統括
・犯歴閲覧権者: 犯罪事実確認書の閲覧
・権限設定権者: 従事者への権限付与
・事務担当者: 申請手続等の実務

 3. システム運用上の必要性


 オンラインの「こまもろうシステム」を利用する際、事業者はシステム上で個々の従事者に対して具体的な権限を割り当てる必要があります。このシステム上の設定内容と、実際の組織内での権限付与状況を一致させておくためにも、一覧表(権限設定表)による管理が不可欠です。


 4. 人事異動への対応


 人事異動があるたびに情報管理規程(本体)を書き換えて届け出るのは煩雑です。規程には役職名のみを記し、具体的な個人名を紐づけた「名簿(権限設定表)」を別途作成・更新する運用にすることで、実務的な負担を軽減しながら法的義務を果たすことができます。


 結論として、規程に個人名を書き込まない運用をするのであれば、実質的に「権限設定表(名簿)」に類する書類は必ず作成し、適切に管理しなければならないと言えます。

 

「こども性暴力防止法に関するQ&A」より

【8-2】 こども性暴力防止法関連システム(こまもろうシステム)を使用する情報機器は、専用端末の使用を推奨する旨の記載がありますが、これは官民問わず同じ扱いですか。

(答) 事業者が使用する情報機器は、私用端末の使用は認められず、業務用端末を用いることが求められます。また、業務用端末の中でも、特に専用端末の使用が推奨されます。この取扱いは、官公庁・民間問わず、同様です。

【8-3】 従事者の端末やネットワークについては、制限がありますか。従事者個人の端末やネットワークからでもアカウント登録や戸籍情報の登録などの手続が可能なのか、決められた(登録された)端末やネットワークからの登録のみなの
か、どちらですか。

(答) 従事者の端末及びネットワークについては、特段の制限はありません。

【8-10】派遣労働者について、児童対象性暴力等のおそれを理由に派遣先から交代を求められた場合、派遣元が派遣労働者本人から直接過去の性犯罪歴を聴き取った情報は、「特定性犯罪事実関連情報」に該当しますか。

(答)特定性犯罪事実関連情報は、犯罪事実確認書を端緒とした面談を行い、当該従事者本人から提供を受けた情報を指します。
 派遣元は犯罪事実確認書の閲覧ができませんので、犯罪事実確認書を端緒とした面談にはなりませんが、お尋ねの場合は、特定性犯罪事実関連情報と同様に要配慮個人情報を取得することとなるため、個人情報保護法上、当該情報の取得に当たり本人の同意を得ることや適切に情報管理を行うことが必要となります。
 なお、派遣先から派遣元に直接、犯罪事実確認記録等の情報を伝達した場合には、こども性暴力防止法第 39 条・第 43 条に違反する場合に、刑罰が科されることとなっています。

【8-12】対象業務従事者が、異動により同じ事業者内で対象業務以外の業務に従事することとなった場合、犯罪事実確認記録等は異動の日から 30 日以内に廃棄・消去する必要がありますか。

(答)同一の事業者内の異動であれば、こども性暴力防止法第 38 条第2項第1号の「離職」には該当しません。実際にその対象業務従事者が離職した日から起算して 30 日が経過する日に廃棄・消去をしてください。

【8-13】犯罪事実確認の対象となった従事者は、自己の犯罪事実確認の結果について、事業者に対し、自己情報開示請求ができますか。また、従事者が退職等した場合、こども性暴力防止法関連システム(こまもろうシステム)上に記録されている情報を消去するよう請求することができますか。

(答)ガイドラインⅥ.安全確保措置(犯罪事実確認)の「6(5)犯罪事実確認の実施状況等の情報開示」に記載のとおり、犯罪事実の有無の情報は開示してはならないこととしており、従事者本人に対しても開示はできません。なお、特定性犯罪事実該当者である場合、事業者に犯罪事実確認書が交付される前に従事者本人に回答内容を事前に通知します。
 従事者が離職した場合には、こまもろうシステム上保存・管理されている犯罪事実確認書は、法で定める期限までに消去されることになりますので、情報を消去するよう請求する必要はありません。

【8-14】犯罪事実確認記録等の廃棄・消去は、各事業者で行うのですか。

(答)犯罪事実確認の確認日から5年経過した犯罪事実確認書については、自動的に、こども性暴力防止法関連システム(こまもろうシステム)で消去されるよう、システムを設計中です。
 5年が経過する前に、従事者の離職、内定取消し等があった場合などについては、対象事業者からこまもろうシステム上で離職や内定取消しがあった旨の手続を行うことにより、犯罪事実確認書の削除を行うことになります。
 こまもろうシステム外で、対象事業者が独自に犯罪事実確認記録を作成していた場合は、各学校設置者等で廃棄・消去を確実に対応いただく必要があります。

【8-16】複数の事業者で従事する従事者は、事業者ごとにアカウントを持つことになりますか。

(答)いいえ。複数の事業者で従事する従事者であっても、アカウントは一つとする予定です。このため、そのアカウントから、複数の事業者と紐づけて管理をします。

 

 

 

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